――午前4時
出動した隊員たちからの調査報告を受け始めるのと比例して要請の速度は徐々に落ち着きを見せ始めていた。
「C地区以外からは要請来てませんね。」
これまでの分も合わせて要請箇所のまとめを行っていた澪は、要請内容から大まかにグループ分けしたものと合わせてモニターに表示した。
「要請時間の流れからみると、後半では質問される内容にも変化があります。」
「変化?」
「具体的になってきたというか、道を聞かれた回数から、惑星といえば?と言った質問に変わって来ているんです。」
「まるで連想ゲームね。どこか特定の場所でも探しているのかしら。」
北島はモニターを見つめてそれらしい箇所が無いかと目線を走らせた。
「C地区……惑星……」
「惑星とは違うかもしれませんが、C-23に宇宙通信開発機構があります。」
「可能性は十分にあるわね。」
2人は画面に映し出されたその外観を眺めた。とても大きいパラボラアンテナが特徴的な建物だ。
「観察からデータ貰ってきました。」
席を外していた大化だったが、手にディスクを持って戻ってきた。
「データ送信渋るからわざわざ取りに行ったのに、データ出すこと自体を渋りだして時間かかりましたよ。」
「ありがとう。まったく、なかなかあの班の体質は変わらないわね。」
「自分たちの非を認めたくないんでしょう。」
いいながら大化はディスクからデータを読み込んでなにやら手元で操作をする。
隣からそれをのぞき込んだ澪だったが、めまぐるしく変化する画面の動きに付いていく事ができず大人しく待つことにした。
「ここ数時間でC地区に飛来したとされるのはこれくらいですね。」
数分も経たないうちにメインモニターに記録用の映像が映し出された。
北島も澪も映し出された映像を注視してみたが、大化の言っているそれがどこに映っているのか分からず首を傾げた。
「ここです。」
映像がさらに拡大されてようやく2人にもそれが確認することができた。
「大きさはどれくらい?」
「サッカーボール程度です。大気圏突入直前でこれくらいですから、C地区に入る頃にはもっと小さくなってる可能性はあります。」
「これって、なにかの集合体ってことですか?」
「突入後の映像では追い切れてないけど、検知には僅かに反応が残ってる。これが今回の騒動の原因なら、そういうことかもしれない。」
「では、要請も落ち着いてきているから、一旦全員戻しましょう。状況を確認してから、今後の動きを決めます。」